展覧会

開館30周年記念コレクション展 

開館30周年記念コレクション展 

VISION 星と星図 | 星図 Ⅲ : それぞれの実存

2026年1月6日(火曜日)〜2026年3月15日(日曜日)

2026年1月6日(火曜日)〜2026年3月15日(日曜日)

展覧会チラシ
中原浩大《無題(レゴ・モンスター)》1990年 ©NAKAHARA Kodai, 2026
石原友明《I. S. M. (H)》 1989 年
青木野枝《Untitled》1984年
宮島達男《カウンター・ルーム》1989-96年 ©MIYAJIMA Tatsuo, 2026
ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》2012年【新収蔵作品】
アルベルト・ジャコメッティ《ディエゴの胸像》1954年
岸田劉生《鯰坊主》1922年

ごあいさつ

豊田市美術館は今年で開館30周年を迎えました。この節目にあたり、当館では、「開館30周年記念コレクション展 VISION 星と星図」を開催し、6月から3月までの10カ月間を通してコレクションを見つめ直し、ここに新たな息吹を吹き込みたいと思います。

第3期では、始まりとなる展示室1において、1980年代から2000年代にかけて、いわば豊田市美術館の開館前後に同時代的に活動を展開し始めた作家たちの作品を紹介します。展示室2を占めるのは、1997年に同室にあわせて展示収蔵され、実に27年振りに再展示となる宮島達男の《カウンター・ルーム》です。一方、展示室3では、30周年を記念して新収蔵したゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》を既存のコレクションと組み合わせてご紹介し、続く展示室4では、当館の企画展に出品経験のある平川紀道が、改めてこの部屋にあわせて構想した作品を展示します。そして、最後の展示室5を締めくくるのは、近代美術とその戦後への展開を示す作品群です。

1980年代、それまでの禁欲的な表現とはうってかわって、作家たちは改めて「作る」ことにこだわり、また、情報化社会、消費社会に応答すかのような作品が登場するようになります。このアートと社会の転換期というべき時代を経て、90年代になると、次第に閉塞していく社会のなかで自身の足場を見つめ、作品に転化していく作家たちもあらわれました。1995年に開館した当館は、まさに同時代のリアルとしてこうした作家たちの作品を収蔵してきたといえます。

80年代にデジタル・カウンターの作品で一躍注目された宮島の作品は、最新技術を用いながらも、一方で、人間の生や事物の存在という普遍的な問いを投げかけてきます。およそ30年後に制作された平川の作品もまた、現在の最新技術を用いながら、その主眼には、私たちの実存に迫ろうとの思いが認められます。それは、近代国家が成立するなか自我を問い、戦争経験を経て、いっそう切実に人間存在を問うことになった作家たちにも接続するものといえるでしょう。新収蔵となったリヒターも、その同じ空間に並ぶ作家たちも、簡潔な作品を通して、目に見える世界の先、その根源にあるものをこそ追求してきました。

個々の作品は、一つの星のように個別の性格を持った単独の存在でありながら、他の作品と関係し合い、像を結ぶことによって、複雑で豊かな星図を描き出します。展示室を行き来するなかで当館コレクションの豊かなバリエーションをご覧いただき、時代や場所を越えて共有される複数の思考の連なりを実感していただければと思います。

2026年1月

豊田市美術館

 

 

会期: 2025年1月6日[火]-3月15日[日]
観覧料: 一般300円[250円]、高校・大学生200円[150円]、中学生以下無料
[ ]内は20名以上の団体料金。
*その他観覧料の減免対象者については、当館ウェブサイトをご確認ください。

 

 

開館時間 10時〜17時30分(入場は17時まで)
休館日=月曜
月曜日[祝日は開館]

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