展覧会
2024.10.12-2025.02.16
2024.10.12-2025.02.16
芸術=創造とはそもそも、いまだ了解されない認識や知覚の領野を拡張していく営みです。ゆえに芸術とは、「芸術」として名づけられ、一つに回収されてしまうことへの抵抗をあらかじめ含んでいます。このことは、未知未踏の領野を取り込み制度化することで国⼟や資本を拡張してきた近代以降の思考自体への抵抗になぞらえることもできるでしょう。この制度化され、統治されることへの抵抗・逃⾛の姿勢=アナキズムに芸術の本来的な力を認め、その可能性を問うことは、硬直化した社会そのものを突破する契機にもなるのではないでしょうか。
近年、芸術を含むあらゆる場で、旧来の制度や差別への連帯闘争が試みられています。それらは切実な抵抗の態度であり、私たちを鼓舞する重大な拠り所となるものの、ゆえにこそ小さな個別の差異を均してしまう危うさと隣り合わせにあるものともいえます。このギリギリの状況において、私たちの個々の表現や⽇常的な振る舞いは、いかに⼀つに回収されることなく共存し、それでも抵抗の力を持ち続けることができるのでしょうか。そのそれぞれの試みがアナキズムの実践だといえます。
19世紀末、近代化と背中合わせに気運の⾼まったアナキズム運動に共感した新印象主義の画家たち。第一次世界大戦と前後して、社会の中心から逃れ、スイスのモンテ・ヴェリタに集った芸術家を含む様々な思想の持ち主たち。第二次世界大戦後、急進する資本主義体制をかいくぐり日常の革命を試みたシチュアシオニスト・インターナショナルとその重要メンバーのアスガー・ヨルン。ソ連時代から現在まで、野外や自室で非公式芸術としてのアクションを展開し続けるロシアの集団行為。さらに自宅での制作と自主展覧会の運営を実践したマルガレーテ・ラスペや共同スタジオを運営するコーポ北加賀屋の面々、アーティスト集団のオル太や、生活も制作も発表もそれらの場所も、全てを自在に往来し続ける大木裕之。
本展では 芸術と社会にどっぷりと関わりながらも軽やかに抵抗・逃走し、あえて「しないでおく」ことの可能性も含めて生き、創造する人々の実践を紹介します。
主な出品作家
ポール・シニャック、ジョルジュ・スーラ、カミーユ・ピサロ、ラスロー・モホイ=ナジ、アスガー・ヨルン、イリヤ・カバコフ、集団行為、マルガレーテ・ラスペ、大木裕之、コーポ北加賀屋(adanda + contact Gonzo + dot architects + remo + FabLab Kitakagaya + 102木工所 + REUNION STUDIO)、オル太
会期 | 2024年10月12日[土]‐2月16日[日] |
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開館時間 | 10:00-17:30[入場は17:00まで] |
休館日 | 月曜日[祝日の場合は開館]、12月28日〜1月17日 |
観覧料 | 一般1,500円、高校・大学生1,100円、中学生以下無料 【観覧料の減免について】(要証明) |
前売券 | 一般1,300円、高校・大学生900円、中学生以下無料 【販売期間】7/13~10/11 【販売場所】 – 豊田市美術館ミュージアムショップ ※9/23まで – オンラインチケット(アソビュー!)※8/17から販売開始 – T-FACE B館2階インフォメーション – メグリア10店舗 ※T-FACE、メグリアの営業日や時間は、各店舗ホームページをご確認ください。 |
セット券 | 2025年1月18日から開催する玉山拓郎展(仮)と会期が重なる時期に使用できるお得なセット券です。(オンライン限定) 一般 【販売期間】2024年9月14日[土]―2025年2月16日[日] ※9月14日~1月17日の期間にご購入いただいても、1月18日~2月16日の期間でしかご利用いただけませんのでご注意ください。 |
主催 | 豊田市美術館 |
協力 | Galerie Molitor |