展覧会

しないでおく、こと。― 芸術と生のアナキズム

2024.10.12-2025.02.16

2024.10.12-2025.02.16

dot architects+contact Gonzo《GDP(Gonzo dot party)》アートエリアB1 2020年 Photo: Ryo Yoshimi
《コーポ北加賀屋》Photo: Yuma Harada
オル太『耕す家:不確かな生成』2022年 撮影:加藤甫

オル太『超衆芸術スタンドプレー 夜明けから夜明けまで』2020年 撮影:縣健司
「アブストラクト権化」展示風景、ANOMALY、東京、2024年
撮影:村田冬実
©Hiroyuki Oki, Courtesy of ANOMALY
カミーユ・ピサロ《ポルトリュー、グールヴロ》1888年 ひろしま美術館蔵
アスガー・ヨルン《甘い生活Ⅱ》1962年 ヨルン美術館蔵 ©Donation Jorn
集団行為《第3案》1978年
マルガレーテ・ラスペ《明日も、明日も、そしてまた明日も、スウィングさせる!》1974年 ©️Deutsche Kinemathek / Margaret Raspé

芸術=創造とはそもそも、いまだ了解されない認識や知覚の領野を拡張していく営みです。ゆえに芸術とは、「芸術」として名づけられ、一つに回収されてしまうことへの抵抗をあらかじめ含んでいます。このことは、未知未踏の領野を取り込み制度化することで国⼟や資本を拡張してきた近代以降の思考自体への抵抗になぞらえることもできるでしょう。この制度化され、統治されることへの抵抗・逃⾛の姿勢=アナキズムに芸術の本来的な力を認め、その可能性を問うことは、硬直化した社会そのものを突破する契機にもなるのではないでしょうか。

近年、芸術を含むあらゆる場で、旧来の制度や差別への連帯闘争が試みられています。それらは切実な抵抗の態度であり、私たちを鼓舞する重大な拠り所となるものの、ゆえにこそ小さな個別の差異を均してしまう危うさと隣り合わせにあるものともいえます。このギリギリの状況において、私たちの個々の表現や⽇常的な振る舞いは、いかに⼀つに回収されることなく共存し、それでも抵抗の力を持ち続けることができるのでしょうか。そのそれぞれの試みがアナキズムの実践だといえます。 

19世紀末、近代化と背中合わせに気運の⾼まったアナキズム運動に共感した新印象主義の画家たち。第一次世界大戦と前後して、社会の中心から逃れ、スイスのモンテ・ヴェリタに集った芸術家を含む様々な思想の持ち主たち。第二次世界大戦後、急進する資本主義体制をかいくぐり日常の革命を試みたシチュアシオニスト・インターナショナルとその重要メンバーのアスガー・ヨルン。ソ連時代から現在まで、野外や自室で非公式芸術としてのアクションを展開し続けるロシアの集団行為。さらに自宅での制作と自主展覧会の運営を実践したマルガレーテ・ラスペや共同スタジオを運営するコーポ北加賀屋の面々、アーティスト集団のオル太や、生活も制作も発表もそれらの場所も、全てを自在に往来し続ける大木裕之。

 

本展では 芸術と社会にどっぷりと関わりながらも軽やかに抵抗・逃走し、あえて「しないでおく」ことの可能性も含めて生き、創造する人々の実践を紹介します。

 

 

主な出品作家

ポール・シニャック、ジョルジュ・スーラ、カミーユ・ピサロ、ラスロー・モホイ=ナジ、アスガー・ヨルン、イリヤ・カバコフ、集団行為、マルガレーテ・ラスペ、大木裕之、コーポ北加賀屋(adanda + contact Gonzo + dot architects + remo + FabLab Kitakagaya + 102木工所 + REUNION STUDIO)、オル太

 

作品リスト

 


 

ミュージアムショップにて、展覧会カタログの予約を受け付けます。

出  版  社:月曜社
仕  様:A5サイズ(210×148mm)/356頁
定  価:2,860円(税込)

内  容
【論考】
*杉田敦「生きることをリフォームする モンテ・ヴェリタとシチュアシオニスト・インターナショナル」
*石谷治寛「点描のアナキズム 連合と調和に向けた労働の風景」
*生熊源一「空虚な修道院を生きる――「空っぽ人間」たちの集団行為」
*ルーカス・ハーベルコルン「アスガー・ヨルンとスカンジナビア・ヴァンダリズムの前衛」
*エミリー・ラバージ「オートマチック・ウーマン」
*千葉真智子「しないでおくことの可能性、別の生の可能性」

【資料】
*モンテ・ヴェリタ年表
*コーポ北加賀屋年表
*集団行為各アクションの日本語翻訳テキスト
*オル太「Living Conditions」シナリオ

【図版】
*作品図版
*インスタレーションヴュー

ほか

 


 

会期

2024年10月12日[土]‐2月16日[日]

開館時間

10:00-17:30[入場は17:00まで]

休館日

月曜日[祝日の場合は開館]、12月28日〜1月17日

観覧料

一般1,500円、高校・大学生1,100円、中学生以下無料
– オンラインチケット、前売券及び20名以上の団体は200円割引(他割引との併用不可)

【観覧料の減免について】(要証明)
– 障がい者手帳をお持ちの方(介添者1名)
– 豊田市内在住又は在学の高校生の方
– 豊田市内在住の18歳以下の方(満18歳から最初の3月31日まで)
– 豊田市内在住の満70歳以上の方
– その他、観覧料の減免対象者及び割引等についてはこちらをご確認ください。

前売券

一般1,300円、高校・大学生900円、中学生以下無料

【販売期間】7/13~10/11

【販売場所】

– 豊田市美術館ミュージアムショップ ※9/23まで

– オンラインチケット(アソビュー!)※8/17から販売開始

– T-FACE B館2階インフォメーション

– メグリア10店舗
取扱店舗:本店、エムパーク店、藤岡店、三好店、若園店、志賀店、朝日店、井上店、はなぞの店、うねべ店)

※T-FACE、メグリアの営業日や時間は、各店舗ホームページをご確認ください。

セット券

2025年1月18日から開催する玉山拓郎展(仮)と会期が重なる時期に使用できるお得なセット券です。(オンライン限定)

一般2,500→2,200円、高校・大学生1,700円→1,600円
※チラシの表記から価格改定を行いました。

【販売期間】2024年9月14日[土]―2025年2月16日[日]
【有効期間】2025年1月18日[土]―2月16日[日]

※9月14日~1月17日の期間にご購入いただいても、1月18日~2月16日の期間でしかご利用いただけませんのでご注意ください。

主催

豊田市美術館

協力

Galerie Molitor

関連イベント

関連イベントは、決まり次第お知らせします。
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