Collection

コレクション

寺内 曜子 (てらうち ようこ)

[1954]

赤い正方形#3 [1985年]

  • 鉛、顔料
    35 x 29 x 23 cm

[音声ガイド]

鉛板の片面に赤い顔料を塗り、切れ目を入れて半分だけ捻じって成型された作品です。赤い面は表でしょうか、裏でしょうか。ここでは、その優劣の区分が解消されています。 留学後、20年間をイギリスで過ごした寺内は、異文化に触れるなかで、二項対立的な考え方への違和感を募らせていきます。表と裏、上と下、右と左、善と悪。これらの区別は、私たちの立ち位置によってその都度変化するものです。あらゆる対立は、自己を中心に見ることによってはじめて生じます。 簡単に形を変えられる柔らかな鉛素材と、たった一色の顔料だけで作られたこの作品は、「対立関係のない世界」を端的に視覚に訴え、「世界の別な見方の始まり」を私たちに示してくれます。

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