Collection

コレクション

田中 敦子 (たなか・あつこ)

[1932 - 2005 ]

94B [1994年]

  • 合成樹脂エナメル塗料、カンヴァス
    300.0×510.0cm
  • ©Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association

[音声ガイド]

赤や青、黄、黒を重ねた円を、無数の線が縦横に繋げています。田中敦子は、1956年に制作した《電気服》の電球とコードの絡まりからこの構図を着想したといいます。《電気服》は、明滅する電球と蛍光管でできた光る衣服で、身に付けて移動することができる斬新な作品でした。 そこから派生したこの絵画は、円が電球、それらを繋げる線がコードでしょうか。大小の円のひしめきはエネルギーの発生を、そこから伸びる無数の線はその増殖、伝播を知らせます。アンバランスな円の配列や色使いはユーモラスな動きを起こし、それらを繋げる夥しい数の線は、激しい電流の交感による不穏なエネルギーを生みます。光沢と艶を持つ合成樹脂エナメル塗料により描かれたこの絵画は、エネルギーそのものなのです。

Work 1963 B [1963年]

  • 合成樹脂エナメル塗料、カンヴァス
    162.2×133.5cm
  • ©Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association

[音声ガイド]

田中敦子の絵画は、常に大小様々な円とそれらの間を縦横に走る線から成り立っています。なめらかで光沢のあるエナメル塗料によって描かれた大小の円の配列、円から伸びる幾本もの線が、エネルギーの発生と不気味な増殖力を感じさせます。またひとつとして同じではない円や線とそのポップな色づかいが、遊び心のあるリズムとのびやかさを与えています。   田中は必ず木枠に張る前のキャンバスを床に置き、画面に覆いかぶさるように全身を使って塗料で線を引きました。彼女は、画面と自らの身体的なつながりを何よりも大切にしていたようです。みなさんも作品の前に立って、作家の気配やエネルギーを感じとってください。

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