Collection

コレクション

野村 仁 (のむら・ひとし)

[1945 - 2023]

宇宙振動 [2006年]

  • 大理石
    55.0×43.0×43.0cm

火星:太陽と石 [1999年]

  • 写真
    各81.5×100.0cm(9点組み)

宇宙農業:野菜の開花 [1998年]

  • 写真
    各81.0×122.0cm(9点組み)、85.0×130.0cm(額寸(frame size))

内部構造:弦4 [1996年]

  • ガラス、大理石
    42.0×81.0×60.0cm

アナレンマ:惑星 [1996-2000年]

  • 写真
    各77.5×105.5cm(9点組み)

宇宙は収縮に転ずるか? [1989年]

  • ガラス
    38.0×23.5×28.5cm

[音声ガイド]

《宇宙は収縮に転ずるか?》は、1980年代に発表された、丸い宇宙の中に小さい宇宙が次々と生まれていく宇宙論、インフレーション理論に触発された一点です。野村は膨張を続ける宇宙の質量がいつか限界に達し、自らの重力で収縮に転じる瞬間、つまり広大な宇宙が点へと逆行する場面を立体的に捉え、宇宙の劇的な様相をさらに外側から眺めているといえます。 キノコを連想させる丸みあるユーモラスな形状と、閉じられたガラスの中に大きさの異なる同じ形が繰り返される構造が印象的なこの作品は、一見愛らしい小品ですが、宇宙の膨張と収縮、目には見えない時空の始まりと終わりについて問いかける壮大な作品なのです。

赤道上の太陽 [1989年]

  • 写真、プラスチック
    140.0×352.0×60.0cm

[音声ガイド]

無限大の記号にもみえる、浮遊感と不思議な存在感が並び立つ作品です。連続する赤い丸は、日の出から日の入りまでの太陽を、魚眼レンズで撮影した写真です。赤道から見上げた太陽の動きを365日分ならべると、二つの螺旋が交差してつながる独特の形状が現れます。左側の螺旋の中心が夏至、右側の中心は冬至を表しており、螺旋の大きさが左右均等でないことがわかります。野村の撮影行為の積み重ねから生まれた《赤道上の太陽》は、太陽の1年間の動きだけではなく、一見して完全と思われている宇宙の対称性の破れまで視覚化した名品です。彫刻家が木石の中に埋まった像を彫りだすように、野村は写真によって天空に隠された雄大な記号を彫り出したのです。

‘moon’ score: 真空からの発生 [1989]

[音声ガイド]

あいうえお

宇宙はきのこのように発生したか [1987年]

  • ガラス
    26.0×22.0×22.0cm

[音声ガイド]

宇宙はどのように生まれたのか―この問いは古来より私たちの想像を果てしなくかき立ててきました。この太古の昔から続く壮大な問いをタイトルにしたこの作品の、吹きガラスによる大小のきのこのような形態の連なりは、美しくもユーモラスです。 1980年代に入り、宇宙にまつわる作品を手掛け始めた野村は、1987年からはガラスを用いたシリーズを展開していきます。増殖していくかのように連なる大小の相似的な形状は、自らの持つ宇宙像を具体化したものといえるでしょう。母宇宙から子宇宙、さらに孫宇宙が無限に発生し続けるという多元的な宇宙の姿を、野村は立体化したのです。

天路1910年: ハレー彗星の回帰 [1986-89年]

  • 写真
    83.0×170.0cm

天路2062年: ハレー彗星の回帰 [1986-89年]

  • 写真
    83.0×170.0cm

天路1986年: ハレー彗星の回帰 [1986-87年]

  • 写真
    70.0×170.0cm

‘moon’ score: 宇宙はきのこのように発生したか [1980-84年]

  • 写真
    133.0×825.0cm

[音声ガイド]

宇宙はどのように生まれたのか―この問いは古来より私たちの想像を果てしなくかき立ててきました。この太古の昔から続く壮大な問いをタイトルにしたこの作品の、吹きガラスによる大小のきのこのような形態の連なりは、美しくもユーモラスです。 1980年代に入り、宇宙にまつわる作品を手掛け始めた野村は、1987年からはガラスを用いたシリーズを展開していきます。増殖していくかのように連なる大小の相似的な形状は、自らの持つ宇宙像を具体化したものといえるでしょう。母宇宙から子宇宙、さらに孫宇宙が無限に発生し続けるという多元的な宇宙の姿を、野村は立体化したのです。

‘moon’ score:真空からの発生 [1980-84年]

  • 写真
    133.0×740.0cm

[音声ガイド]

通勤途中ふと見上げた月が電柱と電線の間を移動していく様から、野村は月を音符にみたてた'moon'scoreシリーズの着想を得ました。 この作品は1980年から84年にかけて毎年2月に撮影された、月の61枚の写真から成っています。五線譜が複写された35㎜フィルムを用いて、一日で撮影される月(34カット)と新聞の暦の複写(2カット)が、それぞれの写真に配されています。時間軸は上から下に向かって年、左から右へと一か月分の写真が日にち順に並びます。空白部分は撮影ができなかった日です。手持ちのカメラで撮影するため、月の位置は五線譜の中で変動し、連なる音符のような印象が生まれます。規則的に繰り返される月の満ち欠けと野村の撮影に、気象や手ぶれなどの不規則な現象が重なり合い、楽譜として立ち現れてくる作品です。

‘moon’ score:宇宙は収縮に転ずるか? [1979年]

  • 写真
    27.4×570.0cm

[音声ガイド]

《宇宙は収縮に転ずるか?》は、1980年代に発表された、丸い宇宙の中に小さい宇宙が次々と生まれていく宇宙論、インフレーション理論に触発された一点です。野村は膨張を続ける宇宙の質量がいつか限界に達し、自らの重力で収縮に転じる瞬間、つまり広大な宇宙が点へと逆行する場面を立体的に捉え、宇宙の劇的な様相をさらに外側から眺めているといえます。 キノコを連想させる丸みあるユーモラスな形状と、閉じられたガラスの中に大きさの異なる同じ形が繰り返される構造が印象的なこの作品は、一見愛らしい小品ですが、宇宙の膨張と収縮、目には見えない時空の始まりと終わりについて問いかける壮大な作品なのです。

Photobook 又は 視覚のブラウン運動 [1974年]

  • 写真製本
    25.3×22.3×3.0cm

Ten-Year Photobook 又は 視覚のブラウン運動 [1972年 (1997年製本)]

  • 写真製本
    26.0×23.0×3.8cm

Photobook 又は 視覚のブラウン運動 [1972-74年]

  • 写真製本

この作品は、野村仁が16㎜のムービーカメラで日常の風景をコマ撮りした写真を、1972年の3月からひと月ごとに製本したものです。写真に日付は無く、野村の目に映った何気ない場面が時間に沿って記録されています。 私たちは周囲へ目をやりながら歩きますが、目的がなければ一点を見つめることはないでしょう。作品名にある「視覚のブラウン運動」とは、歩行時の私たちの視線のように、不規則に動き続ける視点を意味します。「漠然と見ることと見つめることはちがう」と気づいた野村は、意図的に撮るのではなく、カメラの先にあらわれる場面をひたすら撮影しました。連続するスナップが集積した26冊のPhotobookは、通常は意識されなることのない時間がカメラを用いて視覚化された作品といえるでしょう。

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