[音声ガイド]
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鎖や電球、ハサミや赤い糸、瓶など日常的に見慣れた物が封入された卵。生命の発生源ともいえる卵の中に充ちているのは廃棄物です。それらは目に見え持ち運ぶこともできるにもかかわらず、閉じられた空間のなかにあって触れることはできません。矛盾する状態が並び立つ不安感が、私たちの日常に対する感覚に一石を投じる作品です。 中西夏之は高松次郎らとともに1962年こうした卵型の作品を手に山手線を回るハプニング「山手線フェスティバル(山手線事件)」を行いました。この《コンパクト・オブジェ》はそこからはじまる「シリーズ」の1点です。