Collection

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中村 彝 (なかむら・つね)

[1887 - 1924 ]

髑髏のある静物 [1923年]

  • 油彩、カンヴァスボード
    32.5×23.7cm

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当初軍人を目指していた中村彝は、結核のため進路を画家へと変更します。洋画を学びはじめて数年後には第3回文展(1909年)に初入選を果たすなど、その才能は開花します。しかし同時にその制作活動は、進行する病との闘いでした。 この作品は、1923年の夏に取り組んでいた静物画の習作と考えられています。同年9月におきた関東大震災によって、彼が本来描こうとしていた「静物画」は未完のまま失われます。しかし残されたこの習作からは、今までの静物画を超えて新たな境地を切り開こうとする画家の強い意欲を感じ取ることができます。

静物 [1917年頃]

  • 油彩、カンヴァス
    39.5×52.0cm

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少女の像 [1912年頃]

  • 油彩、カンヴァス
    32.5×23.0cm

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頬の赤い内気そうな少女が描かれています。背景の斜め格子や着物に見られる大胆な筆致が、画面にモダンさとリズム感を生みだしています。中村彝が「律動感」と呼んだ、この作家独自の重要な要素がよく表われた小品です。 この作品が描かれたのは、作家が新宿中村屋の裏のアトリエで制作を始めた頃です。鮮やかな赤地の襟が年頃であることを物語る反面、髪型や着物の飾り気のなさから、少女が中村屋の令嬢ではないことがわかります。彼は中村屋の主、相馬家と家族ぐるみの付き合をしていたことから、モデルは相馬家の使用人の一人かもしれません。

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