Collection

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元永 定正 (もとなが・さだまさ)

[1922 - 2011 ]

作品 65-3 [1965年]

  • 油彩、綿布
    182.6×274.3cm

[音声ガイド]

黒い画面に白、赤、白とみっつ並んだ同じかたち。それぞれの上方から絵具が滴り、混ざり合う様が目を引きます。シンプルなかたちに対して、絵具の複雑なにじみが対照的です。 元永定正は、にじみを活かす日本画の技法を試みたとき、予定外に絵具がはみ出てしまった経験から画面に絵具を流し込む手法を取り入れるようになりました。さきに画面にかたちを描き、わずかに傾けたカンヴァスにさまざまな濃さの絵具をたっぷりと流し込むことでこうした作品を描いています。画面上では、作家の意図と絵具の物質性が生み出す偶然とのせめぎあいが起こっているといってよいでしょう。素材の物質感や、偶然を活かす作風は、この時期、元永が所属していた具体美術協会の作家たちが試みたこととも通底しています。

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