• ブロンズ
  43.5×45.4×15.9cm

荒ぶる馬から今にも人が振り落とされそうになっています。尻餅をつくように倒れかかっ た馬。頭部を見ると、喉元を精一杯反り返らせ、天に向かって激しくいなないているよう です。一方、馬上の人はというと、手綱を振りほどかれた両手は宙をかき、両足で懸命に 馬の胴体を挟み込むようにしてしがみついています。 馬とそれを操る騎手は伝統的な主題です。古来、馬は野生や自然、本能的なものと結び付 けられ、騎乗する人間はそれらを制御し、秩序を作り上げる存在として表現されてきまし た。しかし、この騎手は馬に翻弄されています。二度の大戦を経験した当時の世界が抱え ていた苦悩、人類の未来に対する不安感が伝わってきます。しかし、騎手がなんとか馬に しがみついている姿は、マリーニが｢奇跡｣を切望しているかのようでもあります。

• 鉛筆、インク、紙
  27.5×35.0cm

• ブロンズ
  154.5×44.5×34.0cm