二日月 [1946年]
[音声ガイド]
前田青邨は翼を膨らませた愛くるしい表情のミミズクと、銀色の輝きを放つかのような細い月を、墨の濃淡と淡彩のみで格調高く描きました。全体の構図を低く取り、木、鳥、月による密な下部と、上部の空間の広がりとを対比させています。画面の大半を占める空には、ミミズクの持つ孤独感と同時に何ものにも束縛されない自由さが表れているようです。描線を日本画の命として、「ひとつの線を見出す」ことにこだわり続けた青邨の技量が冴える1点です。
大楠公 小楠公 [1942-45年]
渡舟 [1937年頃]