Collection

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国吉 康雄  (くによし・やすお)

[1889-1953 ]

花飾りをつけた女 [1932年]

  • 油彩、カンヴァス
    66×81.3cm

[音声ガイド]

物憂げにしなだれる下着姿の女性。手元の雑誌の表紙には日本語が見えますが、彼女はあまり興味がないようです。国吉独特のかすれたような筆致を重ねて描かれた女性の豊満な身体が、灰色の室内で強い生命力を放っています。 国吉康雄は、20世紀前半のアメリカで活躍した画家です。過去の記憶を元に空想的な絵を描いくことが多かった国吉がモデルを使いだすのは、1925年にパリで友人から勧められてからのことです。 この作品が制作された当時、アメリカでは1929年の大恐慌による混乱が続いていました。国吉の作品にも、けだるい表情の女性たちが数多く登場するようになります。彼の描く空虚で退廃的な画面は、画家やモデルたちが当時抱いた社会への不安が反映されているのかもしれません。

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