コレクション
[1887 - 1948 ]
[音声ガイド]
その場を守る門のように、細くしなやかに伸びた木々の向こう、緑あふれる空間に子どもがひとり描かれています。白い衣を着てたたずむ子どもは、性別も表情も曖昧です。淡く光る草むらには草花や光の粒が白く弾け、そこは楽園のように穏やかな幸福感に満ちています。けれども画面下の一画は、なにかを暗示するように朱く染まり、子どもの不思議な存在感と相まって、物語が始まるような緊張が差し込まれている作品です