Collection

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アルベルト・ブッリ (あるべると・ぶっり)

[1915 - 1995]

赤 プラスチック [1964年]

  • 燃焼、プラスチック、カンヴァス
    60.0×50.0cm

[音声ガイド]

バーナーで溶かしたビニールが画面に貼り付けられています。焼かれて引きつり、凝固したビニールは、生々しい赤い色彩、無気味な二つの黒い穴とあいまって痛ましい感覚すら引き起こします。 第二次世界大戦に軍医として従軍したブッリは、捕虜となった収容所で絵画を描き始めます。作品には、戦争の体験が色濃く反映しているようにも見えます。しかし、ブッリは理性を超えたところにあるのは破壊だけだということも痛いほど知っていました。一見破壊的な行為の跡とも思える溶けたビニールは、あくまでも素材の可能性を探究する中から生まれたもので、純粋に美的な構成を求め、新たな表現を模索する試みの表れなのです。

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